涅槃図とは、お釈迦様が入滅された時の様子を写した絵のことです。
江戸中期に大胆な世界観と卓越した画力で大活躍した絵師伊藤若沖の「果蔬涅槃図」という作品をご覧になったことはありますか?
横たわる大根、触れ臥す蕪、駆けつけるライチにランブータン…
日本人は米粒に7つの神様が宿ると信じていました。
自分の命を繋ぐ食糧すべてに感謝する、この気持ちを大切にしたのでしょう。
青物問屋の嫡男として産まれ育った若沖は、大根の中に佛を重ね見たのでしょうか。
京都国立博物館が所蔵しています。ぜひ一度ご覧になってみてください。
木のもとに臥せる仏をうちかこみ象蛇どもの泣き居るところ 正岡子規
二八年 新春 正壽寺 宏香